2019年11月20日

今回は病気の紹介をしようと思います。



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このかわいいワンちゃんはミニチュアダックスの男の子でリバウド君といいま
す。年齢は若く見えますが16歳です。(16歳は人間では80歳を超えるおじいちゃんです。)

リバウド君はとても元気な男の子ですが普通のワンちゃんと違うところがありま
す。
それはうんちの出る位置です。

みんなはお尻の肛門と呼ばれる穴から排泄をしていますが、リバウド君にはその
うんちの出る穴がおなかにあるのです。


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わかるかな?おなかのピンク色のところです。
ここからうんちがでてきます。

これは奇形というわけではありません。手術をしてこの人工肛門になりました。
リバウド君も最初はみんなと同じようにお尻からうんちをしていました。
でも4年前のある日からうんちに血が付くようになったのです。

お尻に指をいれて検査をしてみると(直検といいます。)肛門の入り口から4㎝
程の所に1㎝弱のできものが見つかりました。
このような場合のミニチュアダックスで一番多い疾患は炎症性ポリープという良
性のできものですが、リバウド君に出た病理検査の結果は”直腸腺癌の疑い”で
した。

すぐに肛門から結腸をひっぱりだしてできものの部分を含めた結腸切除を行いま
したが再発。。。(最終的な病理検査結果は”悪性度の高い直腸腺癌”でした。)
そのため肛門を含めた結腸のほぼすべてを切除して今の状態になりました。


ここからうんちが自分の意志とは関係なくでてきます。お腹の皮膚はうんちが出
てくるようにはできていないのでうんちがついたままになっていると皮膚炎も起
こしやすいです。毎日のお世話はとても大変です。常にこの部分におしめをして
おかなくてはいけませんし、洗浄も必要です。
リバウド君のお母さんは色んな工夫をしながらいつも本当にきれいにケアをして
くださっています。



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健康なわんちゃんでも下痢をしたり固いうんちをしたりすると血が付くことがま
れにありますが、継続した出血が認められるようであれば必ず受診をされるよう
にしてください。

長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございました。
毎日のことですがうんちやおしっこの状態、食欲や飲む水の量などお家のわんちゃ
ん猫ちゃんがいつもどういう状態かを把握しておくことはとても大事です。
11月は他の月よりも病院が比較的すいています。
お時間があれば高齢のわんちゃん猫ちゃんはわんにゃんドックもありますので健
康診断をするのもおすすめです。



by.獣医師 坂本
posted by tokuchan at 19:29| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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