2019年06月26日

甲状腺機能亢進症


高齢猫のもっとも一般的な内分泌疾患の一つである甲状腺機能亢進症の紹介です。
甲状腺は、喉元にある小さな臓器で、全身の代謝や成長、活動性などの維持・促進に関わるホルモンを産生しています。甲状腺機能亢進症では、このホルモンの分泌が増加した状態となります。甲状腺機能亢進症で見られる症状は表1の通りです。そのほか、心臓にも影響し、聴診時に心雑音が聴取される場合があります。

1 甲状腺機能亢進症の症状
・落ち着きがなく、異常に興奮
・よく食べるが痩せてくる
・多飲多尿(飲水量の増加、尿量の増加)
・嘔吐、下痢
・皮膚・被毛の状態が悪くなる

 甲状腺機能亢進症の診断は、主に身体検査(臨床症状など)とホルモン検査により行われます。
 治療は多くの場合が内科治療で、甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬を飲む、甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素を制限した療法食のみを食べていくなどの方法があります。ただし、病気が完治することはなく、治療は一生涯続きます。


甲状腺亢進症の症例を紹介します。詳細は表2の通りです。

2 症例データ
動物:日本猫
年齢:約14歳
性別:避妊メス
主訴:食欲低下、嘔吐

 この症例は身体検査で体重減少、心雑音が認められたため、一般血液検査およびホルモン検査を行いました。その結果、甲状腺ホルモン濃度の上昇が認められ、甲状腺機能亢進症と診断しました。
 現在はホルモンの合成を阻害する薬を用いて治療中で、食欲不振、嘔吐、心雑音などの症状は改善されました。

 甲状腺機能亢進症の症状を挙げましたが、症状が分かりにくい場合もあります。また高齢になるとそのほかにも様々な病気が起こってきます。定期的な検診により早期発見を心掛けましょう。

by.獣医師 本田
posted by tokuchan at 17:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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院長のみでの診療になりますので混み合うと思います。ご迷惑をお掛けします。