2016年01月17日

重度の腹膜炎

最近の症例の話で、胆嚢粘液嚢腫が破れて、重度の腹膜炎を起こしていた症例があったので、そのことについて書きます。もともと、ブログに乗せる予定が全くなかったのと、手術中に写真の余裕がなかったので、すみません手術の写真がありません。


12、3歳の高齢の犬で3日前から吐いていたとのことで来院。
エコーをしてみると
右中腹部あたり、肝臓の後ろの腹腔内にこのようなものがごろんとありました。





2016011701.jpg

真ん中が白くもやもやした黒い塊、中心から周りに放射状に線をひいたような構造物、、、
これはもしや、、と肝臓をみてみると、


2016011702.jpg



真ん中のCの形をした白いものが胆嚢です。
小さく正常ではない構造で、もやもやと白く縁どられ分厚くしています。

どうも、胆嚢粘液嚢腫がもともとあって、そのためパンパンになった胆嚢が破れ、
内容物が腹腔内に飛び出してしまったものと考えられました。

その後、手術を行ったのですが、やはり胆嚢内容物が飛び出し、胆汁もかなり漏出していました。内容物は粘液嚢腫のものでした。胆嚢は根元ぎりぎりまで広範に破れていました。
また、腹部全体的に充血が酷く、重度の腹膜炎をおこしていました。
そのため、胆嚢摘出・胆嚢内容物除去・腹腔内洗浄をし、術後は完全には閉腹せずに、できるだけ多く腹腔の液が外に排液できるように見ていました。

術後は意外といえばなんですが、すぐどんどん回復していってます。
が、慎重に経過をみているところです。


by.獣医師 緒方
posted by tokuchan at 13:41| Comment(0) | 医療日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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