先週の日曜日、緊急で、コーギーの帝王切開が行われました。当院では、大抵の手術は、執刀獣医師と動物看護士の二人で行われます。看護士が一人ついて、呼吸モニターのチェックをしたり、状況に応じて、
ガス麻酔の調節をしたり、必要な器具等を迅速に出したり、とにかく、獣医師が手術に専念できるようにするわけです。ところが、帝王切開の場合はドクターと二人という訳にはいきません。手術で取り出した胎児を蘇生させるスタッフが必要になるのです。帝王切開で生まれた赤ちゃんは、母犬に麻酔をかけている影響で、胎膜を破って取り出しても、なかなか自分で呼吸ができません。そこで、胸のマッサージをして羊水を
吐かせながら、自発呼吸ができるようにしなければならないのです。もともと母犬や赤ちゃんが元気な場合は、子犬の鼻から出てくる羊水を拭きとっているうちに、すぐに鳴き出して手がかからないのですが、
手術前から胎児の心拍が弱くなっていたりすると、1匹を蘇生させるのに、10分も20分もかかってしまいます。
(残念ながら、助けられないこともあります)おまけに、生まれてくる子犬の頭数が多いと、1匹に一人のスタッフが要るので、病院の診療時間外の帝王切開となると、スタッフが足りなくて大変です。
この日も日曜日。病院にいるのは、院長と、看護士の花田さんと、実習生の山口さんと、駆り出された私の
4人。もちろん、院長と花田さんは手術に入るので、子犬のケアができるのは二人だけ。そして生まれた子犬は....
何匹いるかわかりますか? なんと13匹!!!
実は、このワンちゃん、かかりつけの病院が休診ということで来院され、急きょ帝王切開になりました。
最初、11匹と聞いていたので、覚悟はしていたのですが、次から次に出てくるわ出てくるわ(笑)....
飼い主さんにも手伝ってもらって、息子も動員して、皆で、汗だくだくになりながら、なんとか全員元気に
鳴かせて(笑)お返しすることができました。(長くマッサージの必要な子犬が4~5匹で済んだので本当に助かりました。)もちろん、13匹は当院の新記録です。(今までは、ゴールデンレトリバーで9匹でした)
おめでたい記録ですよね。みんな、元気にすくすくと育ってくれることを祈りますっ!
by.ともだ奥
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