熊本に来てもう9ヶ月も経ちましたが、九州イコール南国を想像していたので、秋や冬の冷え込みの強さに驚くとともに、なかなか慣れずに毎日を過ごしています。
さて、今回は犬の「甲状腺機能低下症」について書いていきたいと思います。
甲状腺機能低下症は、教科書的には2~6才で発症すると書かれていますが、経験的に中高齢(6,7歳以上)の子に発症が多く見られるように感じます。
名前の通り甲状腺の機能が低下して、甲状腺ホルモンが不足する病気です。
症状は様々ですが、何となく活力がない、元気がない、運動を嫌がる、食事をあまり取らないのに体重が増えてくる、などで一見わかりづらく、元気がないのは年のせいだろうと見逃されることも多々あります。
皮膚と被毛の変化が見られることもあり、それが一番わかりやすいのではないでしょうか。両側対象の痒みを伴わない脱毛、尾だけが脱毛することもあります(ラットテール)。
免疫が低下することにより、二次的に脂漏症(脂の分泌が亢進して皮膚炎を起こす)、や膿皮症(細菌感染による皮膚疾患)をおこすこともよくあります。この場合は痒みを伴ってきます。
診断は、血液検査で甲状腺ホルモンを量ることでだいたいの診断がつきます。
治療は、甲状腺ホルモンを内服薬で補充することで治療がおこなえます。
何となく最近、うちの子元気がないなと感じたり、治療をしてもなかなか皮膚病が治らないなという方、健康診断がてら、一度甲状腺の検査をしてみてはどうでしょうか?
先日、ツリークライミングというスポーツ?を体験する機会がありました。ロープを使って木に登るのですが、コツを覚えると力を使わずにかなりの高いところまで昇っていくことができます。小さな子供でもスイスイ登ることができます。
自然の中で一日過ごすって気持ちがいいものですね。
東京とは比べ物にならないくらいの雄大な自然を、休みのたびに満喫して過ごしています。
by.獣医師 横山輝智香