前回紹介した我が家のポポ(ヨーキー、メス、2歳)です。
この子との出会いは前に働いていた病院でした。 患者さんとして病院に来たのですが、来た時は横になって頭も上げられず、とても危険な状態でした。 お腹が張っていて、陰部からは膿が出ていました。 血液検査では白血球、CRP、ALPの上昇、エコー検査では子宮と疑われるものの腫大と液体貯留が認められました。 子宮蓄膿症を疑い、すぐに開腹。子宮に膿がたまりすぎて、破裂してしまっていました。もう少し遅かったら亡くなってしまっていたかもしれません。
子宮蓄膿症とは子宮に膿が溜まり、水風船のように大きくなってしまう病気です。
上が正常な子の子宮です。
下が子宮蓄膿症になってしまった子の子宮。
大きさが全然違いますよね(>_<)
6~8才で多くみられますが、ポポのように若い子での発症も時々認められます。基本的には発情終了後、2か月程で蓄膿症になってしまうことが多いですが、早い子は終了後1週間、遅い子は3か月後であることもあります。 主な症状は陰部からの排膿(血液様のこともあります)、腹部膨満、多飲多尿、食欲不振、元気消失、嘔吐などです。すべての症状がでるわけではありません。
ホルモン剤の注射など内科的治療を行う事もありますが、基本的には子宮卵巣を摘出する外科手術を行います。
他の病気と違うところは、避妊手術をする事で防ぐ事のできる病気だという事です。
そんな命の危機にあっていたポポですが、今はすっかり元気になって普通の生活をしてくれています。これからも元気でいてほしいです。
by.獣医師 坂本