今年もよろしくお願いします。
飼い主のみなさまも健康に気を付けてよい年になるよう願っています。
今回は肛門周囲腺腫という腫瘍について書きます。
この腫瘍は去勢していないオスにできることがほとんどです。
肛門腺からできる腫瘍なので、名前の通り肛門の近くにできることが多く、時に十数cmくらいになることもあります。
ただ、メスでもできることはありますし、尾や腹部にできることもあります。
良性の腫瘍なのでほっといてもあまり問題にならないことも多いですが、潰瘍を起こしたり、大きくなると、物理的に排便等を邪魔したりします。
また、まれに肛門周囲腺癌という悪性の腫瘍もあるのですが、見た目では区別つきません。
治療は腫瘍の切除と、去勢手術を一緒に行うことが多いです。
この腫瘍は雄性ホルモンの影響をうけてできるため、去勢をしていなければ、必ず去勢も行った方がよいです。
ただ、万が一肛門周囲腺癌だとしたら、手術が難しいことも多いです。
大きく、浸潤していく傾向があるため、肛門のまわりの筋肉を一部どうしても切除せざるをえないことがあります。
その場合、術後は便失禁も起こりえます。
やるなら、早いに越したことはないのかもしれません。
正常な犬と猫の肛門
by.獣医師 緒方