主に皮膚でできる腫瘍で、扁平上皮癌についてです。前回の肥満細胞腫と同様悪性腫瘍でほっとくとやはり命に関わります。
部位は頭、手足、腹部、肛門周囲にできやすいとされています。
盛り上がった形態をする固い腫瘤ですが、潰瘍を起こすことも多く、ジュクジュクとしたひどい皮膚炎のように見えることもあります。
腫瘍はどんどん浸潤する(奥に入っていく)傾向があり、時に皮膚だけでなく筋肉や骨にも浸潤します。
多くの扁平上皮癌は境界明瞭で、適切に外科的に取れた場合、良好な経過をたどります。しかし、どんどん浸潤する傾向があるため、広範に切除することもしばしばです。転移はまれですが、非常に悪性度が高い場合、リンパ節や肺に転移する可能性もあり、切除が困難になることもあります。
そのため、治療としてはまずは外科的切除をおこなうべきであり、場合によっては、その他非ステロイド系消炎鎮痛剤や放射線療法、抗がん剤の併用等も行われることがあります。
by.獣医師 緒方玲
下記は扁平上皮癌の細胞です。とても大きな細胞で、形はカクカクしています。
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