比較的多い腫瘍です。
名前からとても太ってしまったり、かわいらしいできもののように聞こえますが、とんでもない。とても恐ろしい悪性腫瘍で、ほっとくと(ほっとかなくても)命にかかわることもしばしばです。
皮膚にできることが多いですが、肝臓、脾臓にもできます。とても浸潤傾向(どんどん奥に入っていく傾向)が強く、また転移もしやすいため、見た目以上に腫瘍がはびこっていることも多々あります。
皮膚にできるときの見た目もさまざまで、見た目ではわかりません。赤く腫れたようなできもの、ジュクジュクしたような形のもの、かと思えば固いしこりのようなときもあります。
幸い肥満細胞腫はできものに針を刺して、その細胞を見ることでその場で簡単にわかることが多いので気になるできものがあれば、とりあえず病院で細胞の検査してみるのがよいかもしれません。
治療は手術で取れるものならできるだけ取った方がよいです。さきほど述べたように、見た目以上に浸潤していることが心配なので、たとえできものは小さくてもけっこう大きくとります。転移が疑われる場合、取りきれない場合、さらに抗がん剤や、腫瘍による悪影響を少しでも抑えるための薬を使うこともあります。
下の写真は猫の肥満細胞腫の顕微鏡写真です。
細胞の中に青いぶつぶつした顆粒があるのが特徴です。
by.Dr緒方
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