皮膚、口腔内、乳腺、肛門周辺、リンパ節などの腫瘍は、日頃身体検査中によく見るものです。
また内臓の腫瘍は、脾臓、肝臓、消化管に多くみられそしてこれらの器官の腫瘍は、全く気付かれないまま進行していることがよくあります。最初のサインは通常、体重減少、腹部の膨留、嘔吐、下痢などです。
先日犬の脾臓に、大きな腫瘍が出来ていたので紹介します。
その子は♂のダルメシアン、12歳で亮太君と言います。
体重20kgで、元気食欲がなく痩せてきたというので来院されました。血液検査では貧血がひどくエコーで診ると、なんと子供の頭程の腫瘍がありました。さっそく精密検査を実施し、その後輸血しながらの摘出手術にとりかかりました。腫瘍は大綱(お腹の中をおおう膜)のゆ着がひどく、結構手間取りましたが、1時間ほどでなんとか無事手術も終わり、今は、とても元気です。
(取り出した腫瘍はなんと1.6kgもありました。)
ただ基底細胞腫という悪性腫瘍であったこと、リンパ節への転移があったことから抗がん剤の内服と3週間に1回の注射を使っています。
とっても可愛いがっておられた、飼い主の娘さんは、仕事でアメリカにおられ、毎日亮太君の無事を祈っておられるようです。。このままなんとか元気で過ごしてくれることを願っています。
by.院長