2009年11月28日

健康診断の重要性

今回は脾臓の腫瘍について紹介させていただきます。
この子は推定年齢9歳以上(保護された子なので詳細不明)の男の子のチワワです。
先日ドッグドックを行ったところ、腹部エコー検査において脾臓に直径2cm弱の腫瘤が確認されました。
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腹部及び心エコー・レントゲン検査において他臓器への転移は確認されず血液検査にも異常は無かったため、手術適応と判断しました。また、心疾患によるリスクはあるものの腫瘤を放っておくリスクの方が高いだろうと判断し、お母さんとの相談の結果、脾臓摘出を行い病理検査をしました。
下の写真が摘出した脾臓とその腫瘤(丸印内)です。

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その後、術後の経過は良好で、病理検査の結果が送ってきました。

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結果は「結節性過形成(非腫瘍性病変)及び血管肉腫(悪性腫瘍)」とのことでしたが、血管肉腫に関しては「初期段階であり悪性度が低い」とのことで、「病巣が小さい早期に切除されたことから予後は転移なく良好」とのことでした。
成書にはステージⅠ(ごく初期)の血管肉腫は脾摘後の腹腔内転移は起こりにくいとの記載があり、病理検査の結果からも転移の可能性はかなり低いのではないかと考えられます。
しかし、急速な増殖と広範囲な転移が特徴との記載もあり、脾摘後に転移が明らかになった例もあるので今後もモニターは必要かと考えております。
今回、お母さんの希望によりドックをしたことで、脾臓の血管肉腫を早期発見・早期摘出することが出来ました。まだ100%根治といえる状態ではないですが、今回の早期摘出が根治に繋がっていることを祈ります。

話は変わりますが「人間ドック」という言葉は、大山巌という方が「人間も船と同じで時々ドックに入って検査しないといかん」といわれたのが由来といわれています。人間では早期発見や生活習慣病予防を目的として一般的になっていますが、自覚症状があったとしても言葉で伝えることが出来ない動物にとって、ドックはより重要ではないかと考えられます。(私も31歳だしそろそろドック受けないといかんかなぁ・・・)

今回この子のお母さんは、当院で先日亡くなった子のお母さんの勧めでドックを受けたそうで、「マック君が教えてくれたんだ」とその子に感謝されていました。
その子を最後に担当させていただいた私も同じ気持ちです。
「マック君、ありがとうね。」


by.福井 健人



今回は福井先生からの医療日誌です。
ブログup前に読ませていただき健康診断の必要性を再認識しました。
3枚目の画像が小さくで文字が見づらい場合は、クリックすると大きな画像が出てきます。
posted by tokuchan at 09:41| Comment(0) | 医療日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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