5月も終わりに差し掛かり、ずいぶん温かくなってきました。この時期に気になるのがノミやダニの寄生ですが、今回はノミに関するお話です。
ノミは褐色から暗褐色の昆虫で、体は左右に扁平でイヌネコの体毛の間を素早く動き回ります。後肢が発達しておりよく跳ねることもできます。オスメスともに吸血し、アレルギー性皮膚炎の原因となるほか、瓜実条虫といった寄生虫の中間宿主にもなります。
イヌノミやネコノミの成虫はほぼ動物体表で生活し、そこで交尾産卵を行います。生まれた卵はイヌネコの体から落ち、1~6日程度で孵化します。孵化した幼虫は成虫が落としたフンを餌に成長し、さなぎとなって、成虫になります。条件が良ければ卵から成虫まで20日前後とのこと。しかし、卵の孵化や幼虫の発育にはある程度の湿度が必要であることから、乾燥は致死的に働くとされています。そのため、対策としてイヌネコへの適切な駆虫薬の使用のほか、環境中の洗浄、乾燥が重要となります。家の中でノミが繁殖しないように心がけましょう。
by.獣医師 本田