今回は歯科処置を行った歯周病の犬の症例をご紹介します。
種類:犬
品種:ミニチュアダックスフント
性別:メス
年齢:13歳
診察時に重度の歯石沈着が認められたため、麻酔下での歯科処置を行いました。歯石は臼歯を中心に付着しており(図1)、それらの歯石を除去すると、いくつかの歯で歯肉の後退と歯のぐらつきが認められました(図2)。抜歯が必要かどうかについては、さらに歯周ポケットの深さ測定や、歯科用レントゲン検査などを行い判断されます。今回の症例では多くの臼歯を抜歯することとなりました。抜歯後は歯槽骨をきれいにしてから粘膜を縫合し、残った歯を磨いて処置を終了しました(図3)。

図1 歯石除去前(重度の歯石沈着が認められる)

図2 歯石除去後(いくつかの歯で歯肉の後退などがみられる)

図3 抜歯後
歯科処置では長時間の麻酔は避けられません。こういった歯科処置を避けるためにも日ごろからの歯磨きが重要となってきます。
by.獣医師 本田