膝蓋骨は、膝の全面を保護する小さな骨です。
靭帯によって膝部につなぎとめられており、大腿骨の先の滑車と呼ばれる溝の中を滑ることでスムーズに動きます。
その滑車から内側に外れる場合を内方脱臼、外側に外れる場合を外方脱臼といいます。
小型犬では内方脱臼がほとんどで、とくにプードルやチワワ、ポメラニアンなどによく見られます。
脱臼の程度は、1~4のグレードに分けて診断されます。
本日行ったグレード4の手術をご紹介します。
種類/T・プードル
生年月日/H30年2月
性別/雌
右後肢を地面につかないという症状でご来院され、グレード4の膝蓋骨脱臼と診断を受け手術を選択されました。
手術には大きく分けて4つの工程があります。
① 内側広筋と縫工筋という2つの筋肉を剥離し、縫工筋を移植する
② 外れにくいように滑車溝を深く削り、軟骨をはめ込む
③ 靭帯の付着部の骨を切り、外側に移動させ固定する
④ 靭帯を縫い縮めることで、膝蓋骨を外側に移動させる(関節縫縮術)
当院では、この4つの工程を組み合わせた手術を行っており、成功率は高いと思います。
膝蓋骨脱臼の手術には、未だに絶対的な方法がありません。
その為、病院やドクターによって手術方法が異なります。
病院やドクターに関わらず、確実に良くなる手術ができるようになる事を願っています。
by.院長 塘田健治