最近の症例の話で、胆嚢粘液嚢腫が破れて、重度の腹膜炎を起こしていた症例があったので、そのことについて書きます。もともと、ブログに乗せる予定が全くなかったのと、手術中に写真の余裕がなかったので、すみません手術の写真がありません。
12、3歳の高齢の犬で3日前から吐いていたとのことで来院。
エコーをしてみると
右中腹部あたり、肝臓の後ろの腹腔内にこのようなものがごろんとありました。
真ん中が白くもやもやした黒い塊、中心から周りに放射状に線をひいたような構造物、、、
これはもしや、、と肝臓をみてみると、
真ん中のCの形をした白いものが胆嚢です。
小さく正常ではない構造で、もやもやと白く縁どられ分厚くしています。
どうも、胆嚢粘液嚢腫がもともとあって、そのためパンパンになった胆嚢が破れ、
内容物が腹腔内に飛び出してしまったものと考えられました。
その後、手術を行ったのですが、やはり胆嚢内容物が飛び出し、胆汁もかなり漏出していました。内容物は粘液嚢腫のものでした。胆嚢は根元ぎりぎりまで広範に破れていました。
また、腹部全体的に充血が酷く、重度の腹膜炎をおこしていました。
そのため、胆嚢摘出・胆嚢内容物除去・腹腔内洗浄をし、術後は完全には閉腹せずに、できるだけ多く腹腔の液が外に排液できるように見ていました。
術後は意外といえばなんですが、すぐどんどん回復していってます。
が、慎重に経過をみているところです。
by.獣医師 緒方
posted by tokuchan at 13:41|
Comment(0)
|
医療日誌
|

|