2015年09月06日

犬の僧帽弁閉鎖不全症

今回は犬の僧帽弁閉鎖不全症についてお話します。
僧帽弁閉鎖不全症とは心臓の中にある僧帽弁という弁がしっかり閉じなくなる病気です。弁が閉じないと心臓の中で血液の逆流が起こってしまい、やがて心臓が全身に血液を十分送り出せなくなります。そうすると心臓や肺でうっ血が起こってしまい色々な症状が出てきます。

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看護師さんが飼っているキャバリアのキャロルちゃん。7歳の女の子です。
先日、家での呼吸が速いという事で診察をすると重度の僧帽弁逆流があり、それによって肺水腫になってしまっている事がわかりました。肺に水がたまってしまうと十分に酸素を取り入れられなくなり、とても息が苦しい状態になってしまいます。命に直結する状態です。

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向かって左側が病院にきた日、右側が治療後です。
真ん中の白い丸が心臓ですが、大きさが全然違います。また左側は心臓の周りが白いのがわかります。肺にたまっている水が白くうつっているのです。。。
すぐに治療を開始し、お薬はたくさん飲まなくてはいけなくなってしまいましたが、元気になってかえってくれました。

この病気は最初ほとんど症状がなく、一見とても健康にみえますが、運動や散歩が前よりも苦手になる、咳をする、舌が紫色になる、失神する、横になって眠れないなど徐々に症状が重くなっていきます。
特にキャバリアやシーズー、マルチーズ、チワワ、ポメラニアン、トイプードルなどなりやすい犬種もいますので、定期的な受信や健康診断をおすすめします。
すでにお薬を飲んでいる子も家では症状の悪化がないか、呼吸数が増えていないかなどチェックをしてあげて下さい。

今では元気なキャロルちゃん。毎日お薬がんばってます。


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by.獣医師 坂本
posted by tokuchan at 18:17| Comment(0) | 医療日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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